コロナ禍でスタートした挑戦。

—9月23日に開園したばかりのbiima school 芝浦アイランド校。グローバルワークのお2人は今日が初めての来園だそうですが、子どもたちの姿を見ていかがですか?

横内孝平さん(以下、横内):実際に園服を着て元気に走り回っている様子を見ると、気持ちが上がりますね!

宮嶋千裕さん(以下、宮嶋):カラフルな園服がとても似合っていて、うれしくなりました!

—そもそも、今回の園服づくりは、biima schoolさんからのお声がけで実現したと伺いました。

野辺健一郎さん(以下、野辺):はい。私たちは「日本の教育にイノベーションを起こし、21世紀に活躍できる人材を多く生み出す」をテーマに、4年前に株式会社biimaを立ち上げ、早稲田大学教授陣と共同開発した総合キッズスポーツスクール“biima sports”をスタートさせました。現在は、全国100拠点に展開しており、株式会社アシックスのスタートアップイベントで優秀賞を受賞したり、東京人気体操教室ランキングで1位に選ばれたりと実績を積み重ねています。いよいよ本格的に教育へ参入しようということで、第一弾として動き出したのが、21世紀型教育と総合スポーツを行う新しい形の保育園“biima school”なんです。

開園にあたって園服をつくるときに、私たちのコンセプトに共感してくれるブランドを探していたところ、「ここだ!」と思ったのが、グローバルワークさんでした。

—そのコンセプトとは?

野辺:ものを大切にする、ということです。ですからサステナビリティ、SDGsといったキーワードで検索しました。

現代はものがあふれています。洋服も簡単に安価に手に入れることができて、親は汚れたり飽きたりすればすぐに捨ててしまう。子どもたちはその様子を見て育っており、ものは簡単に手に入り、愛着もわかずにすぐに捨てて、また新しい物を買う。私は20年後彼らが大人になったとき、大量生産大量消費の社会ではなくなるようにしたいと考えています。ですから、未来のためにリユース、リサイクル、リデュースの3Rを意識した教育をしていきたい、ということが私たちの核としてありました。そのなかで探し当てたのが、グローバルワークさんのサステナビリティの特設ページでした。

横内:初めての問い合わせフォームからのご連絡だったので驚きました。

野辺:ちょうど新型コロナウイルスの影響で、店舗に伺えない状況だったので、思いきってホームページから問い合わせました。4月のはじめですね。

横内:園服づくりは弊社としても初めての取り組みだったのですが、環境問題への意識や子どもの未来についての考えなど、目指すところが同じでしたのですぐにタッグを組むことになりました。

宮嶋:そこからはどんどん話が進みましたね。オンラインでミーティングを重ねて、結局初めて直接お会いできたのは6月の中頃でしたけど(笑)。

野辺:名刺交換のとき初対面という感じがせず、同窓会のような感覚でした(笑)。

子どもの個性を尊重する
カラフルな6色。

—実際の園服づくりでは、どんな点にこだわりましたか?

宮嶋:大前提で「カラフルなものを!」というご要望をいただいていたので、楽しくご提案できました。

野辺:園内で着るスウェットは6色あります。どうしてそんなにたくさんあるかというと、子どもの個性や多様性を表現したく、「子どもは何色にでもなれる」という思いを込めたからです。子どもの意志を尊重したいから、どの色にするかも自分で選んでもらうようにしています。目の前に選択肢を広げて自分で意思決定をする経験を重ねてあげることが、子どもたちの人生を豊かにすることに繋がると信じています。

ただ、この6色に絞るまで大変でした。ひと口に「青」とか「ピンク」と言っても、こんなにバリエーションがあるんだ! と驚きましたね。

横内:色見本のチップをお送りして、リモートで決めたんですよね。

野辺:あまり「男の子っぽい」「女の子っぽい」とならないように、性別関係なく着られる色味を厳選しました。結果、この6色で正解でしたね。子どもたちも楽しみながら何色を着ようか選んでいました。

—登園時の制服やリュックもあるんですね。

野辺:ポロシャツとスウェットパンツ、リュックの色は黒とネイビーで統一しました。保育園や幼稚園の服って、大抵はかわいい感じで、スタイリッシュなデザインのものは珍しいと思います。教員用も同じカラーバリエーションで揃えて、ロゴの位置や大きさのみ変更しています。

子ども用はスウェット・ブルゾン・ポロシャツに加え、パンツとリュックも作成。

ブルゾン・ポロシャツは大人(教員)用も同じデザイン。スウェットはロゴを左胸部に配置。

宮嶋:ブルゾンはブラックとネイビーの2色展開で、裏地もそれぞれイエロー系とグリーン系で絶妙に色を変えています。フードは収納できるようになっているんですよ。

横内:リフレクターも、どこにどう入れるか議論が白熱しましたね。後ろだけなのか前だけなのか、前片側だけはどうかと。ロゴの色、大きさや位置についてもかなりせめぎあいがありましたよね。

野辺:着たときにちゃんと見えてほしいとか、安全面からもうちょっと目立たせたいとか。いろんな思惑が錯綜しました。リュックについてだけで2時間くらい話せます(笑)。

—園服ならではの苦労はありましたか?

横内:我々は子ども服の扱いはありますが園服制作は初めてでして、biima schoolさんにリードしていただきながら進めていきました。カリキュラムのなかで運動を積極的に取り入れていらっしゃったので、動きやすさや快適さ、あとは安全面についても話し合いましたね。パンツの裾は絞ったほうがいいとか、ボタンの大きさもこのくらいがいいとか。

宮嶋:毎日着る服、洗う服ですから、耐久性や乾きやすさも重視して素材を選びました。ブルゾンは撥水機能をつけて、さらに蒸れにくい素材を選んだり。

横内:今日見たら、子どもたちが思った以上にスライディングしたり、ひざで滑ったりしていたので、耐久性にこだわってよかったなと(笑)。

野辺:なにしろ初めての保育園、初めての園服、初めての取引相手、と初めて尽くしですから、スムーズにいかないことも多々ありました。それでもコンセプトがはっきり決まっていたこともあり、同じ方向を向きながら進めることができました。結果、素晴しい園服ができあがってとても満足しています。

そういえば先日、外遊びから帰ってきたとき、子どもたちの姿を見た通りすがりの女性たちが、「あれが新しくできた保育園ね。ウエアがかっこいい」と言っているのを耳にしました。誇らしかったです!

横内&宮嶋:おお~! それはうれしいですね!

ものづくりの素晴しさも
伝えていけたら。

—難しい状況下での新たな挑戦となりましたね。

横内:弊社は「Play fashion!(=ファッションを楽しむ)」をミッションに掲げています。それが変わることはないのですが、一方でコロナ禍を経て洋服というものが「ファッション」から「日常の必需品」という意味合いへと、求められるものが変わってきていると感じています。今回の園服づくりは、どちらかというと「お出かけ」を意識したこれまでの子ども服づくりに、「日常」の視点を加えてくれました。そこに触れ合い、寄り添えるというのは、とても魅力的なこと。私たちとしてもさまざまな発見がありました。

野辺:コロナ禍だったからこそ、本来ならたくさんの人のスケジュールを調整して打ち合わせの場を設けるような内容も、リモートで話を進めてスピード感をもって対応できたと思っています。ご縁とタイミングがあって実現できたことだと、改めて感じています。

宮嶋:確かにオンラインでの商談って、biima schoolさんが最初だったかもしれません。ファッションや洋服についてだけでなく、仕事の進め方についても新しい世界が広がりました。

野辺:今後、園服については、夏の半袖Tシャツをつくっていただいてひとまず終了するのですが、グローバルワークさんの企業理念やものづくりの姿勢には私たちも深く共感しています。たとえば工場見学やデザイナーさんたちとのワークショップなど、何か子どもたちの未来のための活動を一緒にできたらいいなと考えています。ものがつくられていく背景を見ることは、ものを大切にする気持ちを育みますから。

宮嶋:そういえば私の母も洋裁が得意で、子どもの頃はお手製の服を着ていました。ものづくりを意識したのもその頃です。服って自分でつくれるんだ、と。

野辺:ものの裏側を知ることは、人生観まで変えるんですよね。ぜひ、今後も末長くよろしくお願いします。

横内&宮嶋:よろしくお願いします!

biima schoolとは
2020年9月、東京都港区芝浦にオープンした、21世紀型教育を行う総合スポーツ保育園。21世紀に活躍できる人材・究極の自己実現ができる子ども達を多く生み出し、日本の教育にイノベーションを起こすことをビジョンに掲げる。最新のスポーツ科学に基づいた総合スポーツプログラムと非認知能力プログラムを提供し、「基礎運動能力」「非認知能力」「自己肯定力」を育むプログラムを毎日実施する点が特徴。

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