家族や仲間に支えられ、頑張りすぎないことの大切さを実感。

ーまずは福治さんの現在に至るまでのキャリアをお聞かせいただけますか?

福治:大学生の頃、かわいくてキラキラした仕事を探していて(笑)、ちょうどグローバルワークがアルバイトを募集していたので即応募し無事採用していただきました。学生アルバイトを経て2012年に新卒採用で社員となり、一年目は茨城県、二年目は埼玉県、三年目に千葉県と、関東の店舗を巡ったあと入社5年目で店長として三重県の店舗に配属になりました。その年に新人賞もいただいたのですが、ほどなくして妊娠し一年間産休。そして現在の那覇メインプレイス店で店舗スタッフとして復職し、翌年に再び店長職に就きました。

ー復職するにあたり不安なことはありましたか?

福治:まったく不安がなかったわけではありませんが、母の後押しがあったのでとても心強かったです。私の母は一度も働かないまま結婚し、これまでずっと専業主婦として家族を支えてくれてきた人なので、就職して県外へ出て働き、出産を経てもなお働くことができる私をおもしろがってくれている部分もあって。とにかくとても応援してくれているので素直に頑張ろう、という気持ちでした。

ーお子さんが生まれてから店頭での接客に変化はありましたか?

福治:ここ那覇メインプレイス店はショッピングモール内にあるため、小さいお子さまを連れたお客さまも多くいらっしゃいます。そういったお客さまに対しては自分も出産し子育てを経験中という立場になったからこそ共感できる部分があり、洋服を選ぶということに関してもより近い感覚でお手伝いができるようになったと思います。

ー店長という仕事と母親業を両立させるのは大変な部分も多いかと思います。なにか工夫されていることがあればおしえてください。

福治:工夫と言えるかわかりませんが、私がこうして店長職と母親業を両立できているのは両親のサポートと、協力してくれる店舗スタッフのおかげです。復職間もないときもそうですが、店長職に就いたばかりの頃は「とにかく自分が頑張らないといけない」という思いが強すぎて行き詰まって泣けてしまうこともありました。ですが、そんな自分を常に応援してくれている両親と、共に働く仲間たちの「大丈夫だよ」という気持ちに支えられていることに気がついたんです。それからは仕事も子育ても、やることはきっちりとやるけど頑張りすぎない。だけど決して甘えすぎない。というバランスを大切にしています。

ー女性やママが働きやすい環境づくりには何が大切だと思いますか?

福治:繰り返しになってしまいますが、私の場合は本当にスタッフに恵まれているので、私に限らず誰かが困っているときはチームワークを最大限に発揮して様々なことをクリアしてきていると思います。例えば、ママスタッフが子どものことで急遽早退することになってしまった場面でも「那覇店の子は、みんなの子ども!!」と言って送り出してくれます。まずは家族やその暮らしがあってこその仕事、というのがスタッフみんなの共通認識なんですね。こんな仲間と職場に巡り会えたからこその今なので、そういった考え方ができる人や会社が増えていったらいいなと思います。

ー今後「こういう制度があればもっと働きやすくなるな」と思う、会社やブランドへのリクエストがあればおしえてください。

福治:半休制度ですね。子どものことで急遽早退することになったときなど、早退するまで働いた数時間を無駄にしないために、半休の制度があると嬉しいです。また病児保育を受け入れてくれるような環境があると、とても心強く、小さな子どもを持つ母親としてはかなり働きやすくなると思います。

ー毎日忙しく過ごされてるかと思いますが、ひとりの時間などはありますか? また休日はどのように過ごすことが多いでしょうか?

福治:ひとりの時間はあまりないですね。仕事の休憩時間にカフェで過ごす時間や帰宅中の家までの道のりくらいでしょうか。お休みの日は絶対というほど子どもと一緒に過ごしています。首里城の近くを散歩したり公園で遊んだり。先日長期休暇をとった際には、ふたりで東京旅行に出かけておもいきり遊んできました。普段はあまり長い時間一緒にいることができないので、その分休日の時間を大切にしています。

店長としての今、そしてこれから

ー店長としてスタッフとのコミュニケーションやチームのまとめ方など気をつけていることがあれば教えてください。

福治:ネガティブな言葉は口にしないことですね。例えばすごく忙しくてみんなヘトヘトになってしまったときでも、「疲れたね」ではなく「頑張ったね!」と声をかけるようにしています。また私自身はすべてのスタッフと万遍なくコミュニケーションをとるというよりは、社員スタッフと密にコミュニケーションをとり、そこからアルバイトスタッフに伝えてもらうようにしています。そうすることで間に入った社員にも様々な視点から仕事を学んでもらえるのでは?と考えていまして。もちろん社員もアルバイトも関係なく食事に行ってみんなで楽しむ時間も大切にしています。休日にみんなの顔が見たくなって、子どもを連れてフラッと店舗に遊びに行くこともありますね。

ー沖縄という地域ならではのお店での施策についてはいかがでしょうか?

福治:やはり気温が高めでローカル対応は必須な地域なので、売場づくりなど早めに本部から情報をもらうようにしています。ですが、何より一番大切にしているのはお客さまのリアルな声です。接客を通じて沖縄のお客さまが今何を求めているのかを考え、その時々の気温とニーズに対して最適なトレンドを提案できるよう心がけています。

ーこれぞ醍醐味、というようなこれまでの仕事で嬉しかったことを教えてください。

福治:アルバイト時代に働いていた沖縄の店舗に、旦那さまの転勤で沖縄に来ているという女性のお客さまがいらっしゃいました。私が社員になることが決まり、茨城の店舗に配属されることになったとそのお客さまにお話ししたところ、最後の日にコーヒーショップのカードをプレゼントしてくださったんです。「沖縄に友達がいなくて寂しかったけど、このお店に来ることがとても楽しみだった」と言ってくださって。それが本当に嬉しくて。そのカードは今も大切な宝物で、もちろん使っていません。落ち込んだときなどはそのカードを見てパワーをもらっています。

ーグローバルワークの店長を目指す女性スタッフにアドバイスをお願いします。

福治:店長というのは本当に大変な仕事ではありますが、地域マネージャーを筆頭に助けてくれる上司や仲間がいます。責任もある分、やりがいもある仕事なので頑張ってほしいと思います。

ーグローバルワークでは現在サステナビリティな取り組みに力を入れています。店長として地域社会への貢献活動や、ママとしてお子さんや孫の世代まで気持ち良く暮らしていけるために、ご自身で心がけていることがあればおしえてください。

福治:サステナビリティな取り組みについては以前からとても興味を持っていました。新卒でいくつかのアパレル企業の説明会などに足を運んでいたのですが、そのときに会社によって様々な取り組みがされていることに衝撃を受けたことがきっかけです。現在の店舗で店長になってからは月に一度、スタッフ内でCSRのミーティングを行っています。勤務時間外の活動になりますが、定期的に地域のクリーン活動として、7~10名のスタッフで近隣の公園などのゴミ拾いをしています。一時間ほどで大きなゴミ袋がいっぱいになるほどなんです。

ークリーン活動をおこなうことで地域コミュニティとの繋がりもできますね。

福治:今後は年間スケジュールを組んで行事にしていきたいですね。活動時に着用するユニフォームを作るなど、ボランティア活動としてだけでなく勤務時間内に活動できるようになるといいな、と考えています。街もきれいになり、お店の宣伝もできるしスタッフも気持ち良く取り組めるのが理想です。これは個人的なことですが、今年は地元のマラソン大会にも出場したいと思っていて、様々な角度から地域と繋がりをもって一緒に街を盛り上げていけるといいですね。

ー最後に、これからの目標を聞かせてください。

福治:そろそろ次のステップに向かっていきたいですね。沖縄という地域性を考えると売り場の先読みが必須で、やはり他地域とはお客さまが求めるものやタイミングが微妙に違ってきます。現在グローバルワークは沖縄に4店舗ありますが、そういった考えや売場づくりについて店舗をまわってサポートできるような仕事ができないかと考えています。沖縄の店舗の目線を合わせることによって、この地域ならではのグローバルワークを発信していくことが目標です。