バスケットボールファンの間で話題になった、B.LEAGUEとグローバルワークのコラボレーション。一部リーグである「B1」と、二部リーグである「B2」の全36クラブ分のTシャツを販売。さらにB.LEAGUEのスローガンをフロントにプリントしたデザインや、2019-20シーズンの「B1」「B2」の全クラブ名を配したロンTやパーカも展開します。リリースを目前に、今回の企画の仕掛け人であるメンズMDの松浦さんにインタビュー。企画に込めた、B.LEAGUE・日本のバスケットボールへの熱い想いを語ってもらいました。

Photo_Jun Nakagawa
Text_Hiroyuki Ohashi
2016年に開幕した国内男子バスケットボールのリーグで、正式名称はジャパン・プロフェッショナル・バスケットリーグ。一部リーグである「B1」と、二部リーグである「B2」とに分かれ、各18クラブで戦う。

松浦健志

グローバルワーク
メンズMD

1981年生まれ、宮崎県出身。幼少よりバスケットボールに熱中し、今回B.LEAGUEとのコラボレーション企画のプロジェクトリーダーとなり、デザイン発案から調整までの大役を担った。

1981年生まれ、宮崎県出身。幼少よりバスケットボールに熱中し、今回B.LEAGUEとのコラボレーション企画のプロジェクトリーダーとなり、デザイン発案から調整までの大役を担った。

バスケットボールへの想いをB.LEAGUEが呼び醒ましてくれた。

B.LEAGUEが大好きだと聞いております。そもそもご自分でもバスケットボールはされていたのですか。

松浦:キャリアはたいしたことないのですけど、小学校3年生のときから高校3年生までずっとやっていました。一番良かった成績は、高校時代の天皇杯県予選ベスト4です。控えでしたが(笑)。大学ではサークルでやったぐらいで、その後は全く手を離れていた状態です。

バスケットボールから離れている時期があった中で、いまこうやってB.LEAGUEとのコラボレーションを実現されました。もう一度、バスケに目が向くようになったきっかけは?

松浦:2016年9月22日のB.LEAGUE開幕戦です。それに向けてテレビで毎晩のように特集番組やCMを目にするようになって、日本のバスケが置かれていた状況やB.LEAGUEが立ち上がる背景を知りまして。それで是非、もう一度見たいと思うようになりました。当日、家に帰ってテレビをつけたら、いやーすごかったです。世界初のLEDコートが敷かれて、アーティストのパフォーマンスなど数々の演出、もちろん試合もおもしろくて、すべてが素晴らしいなと思いました。僕の知らないところで、こんな熱いものがあったんだと思ったら、どんどん興味が湧いてきました。

会場の盛り上がりが心に響いたのですね。

松浦:あと開幕戦の勝者であるアルバルク東京の伊藤拓摩ヘッドコーチ(当時)がインタビューで言ったことが印象的でした。ひとつは、『Wow them!!』。今日は勝敗云々ではなく、見ている人にワオ!と思ってもらえる試合にしようということ。もう一つは『ここにいるみなさん全員で日本のバスケを盛り上げましょう!』というセリフ。僕もまさにそうだなと思いました。開幕戦のこの空間はみんなで作りあげたもので、明日からはこれまで通り体育館でやるわけですよ。大河正明チェアマンの開会宣言も聞いていたら、この人たちの仲間に入りたいなと。時代の閉そく感やバスケットボールの停滞感も、全て打ち破りそうな高揚感を勝手に感じとっていました。

B.LEAGUEに眠っていた気持ちを焚き付けられたんですね。

松浦:そうなんです! この会社で好きなことをやらせてもらって不足はないのですけど、また胸が躍るようなことが自分にはあったんだと。

そして今年、B1、B2の全クラブのグラフィックTシャツ発売へこぎつけました。会社としては、B.LEAGUE初年度から茨城ロボッツをサポートして、様々な企画を打ち出していることも見逃せないと感じています。今回のコラボレーションに繋がっていると思うのですが。

松浦:ロボッツの影響は大きく2つあります。ひとつはロボッツをスポンサーする会社の社員として、チームをそばで見られたこと。今回のプロジェクトの力になっています。特に精神的面ですね。ロボッツは水戸の地域創生の足掛かりとなって、街を復活させようとする気概が本気で感じられるんです。仕事はそれぐらいのエネルギーで取り組まないといけない、ということをロボッツから教わったと感じています。

確かにロボッツは年々、リーグでも存在感のあるチームに成長しています。もうひとつはなんでしょうか。

松浦:コラボグッズをロボッツと作ったことで、お客様からリアルな反応を知ることができたことですね。いまのスポーツビジネスは、B.LEAGUEがまさに取り組んでいるように、お互いの企業のメリットを合わせて、お客様へ新しい価値提供をすることだと思います。ファッションとバスケットボールは非常に親和性が高く、我々はロボッツとそれを実証することができました。特にサードユニフォームは反響が大きかったです。

全国のスタッフからデザインアイデアをもらえたのも強み。

今回のコラボレーションはいつごろから着想して、いまに至ったのですか。

松浦:この企画の前に弊社の「niko and…」 というブランドで、Jリーグ25周年とのコラボレーションとして「J1」と「J2」の39クラブのTシャツを販売しました。その成功例があった中で、昨年の春ごろに“グローバルワークにはバスケ好きな社員が多いよね。やってみたら?”という話が挙がりまして。

その時はどう思ったんですか?

松浦:最初は嫌だったんですよ(笑)。B.LEAGUEは僕の最大の余暇なんです。個人的な話になりますが、僕はサンロッカーズ渋谷のファンでして。平日の仕事を乗り越えたら、週末は青学(青山学院記念体育館)が待っている。そこへ行けば、白熱するゲームと、一緒になって楽しむ仲間がいる。運営の皆さんも優しいですし、最高なんです。それを仕事にするのは…。うまくいかなかったときにバスケって駄目だねとなるのも嫌だなと。

わかります、好きを仕事にすると楽しいことだけではないですから。

松浦:でも、考えているうちに、ふと思ったんです。弊社には『.st』という会員数が約1000万人のECサイトと、「グローバルワーク」は全国に200以上の店舗があるんです。この両方で同時にB.LEAGUEの魅力を伝えることができると想像したら…、これは2016年9月22日に僕が胸に抱いたことなんじゃないかって。

3年の時を経てついにチャンスがやってきたわけですね。

松浦:事業部長にも背中を押してもらって、やってやろう!と決めました。中途半端なコラボレーションを作っても、ファンやブースターの皆さんには受け入れられない。その覚悟を持ってやりました。

36クラブのデザインはどれも各クラブの背景や活躍している選手やアリーナの様子など、現場で見て、感じていないと描けないものばかりです。まず何から着手されたんですか。

松浦:全国のスタッフへ各クラブのファンがいないか、アンケートをとりました。僕もB1の関東地区は頻繁に見ているのですが一部、関西以西やB2の多くのクラブはまだ見たことがないんですよ。3000名近くのスタッフのうち、15名のスタッフが実際に試合を見に行ったことがあって、デザインアイデアをくれました。一方で、本部には100名ほどスタッフがいるのですが、B.LEAGUEの試合を見に行ったことがある人は、僕以外だとわずか数人で…。各クラブはそれぞれの地域で比較的認知度が高いんだなと思いましたね。

デザインを見ると、ファン、ブースターが「このデザインはウチのだよね」と思うデザインと「あれ、いつもと違う印象!?」という2通りのデザインがあるように感じました。

松浦:基本的にはクラブのオフィシャルグッズとかぶらないようにしました。また、普段使いできる内容にすることを想定してデザインをしました。日常的に着ていただいて、皆さんの生活に溶け込んで欲しいと考えています。

これだけの数のデザインです。さぞハードワークだったのではないでしょうか。

松浦:だいたい1つのデザインにつき、平均で5回はグラフィックを修正しています。少なくとも150は書き直しましたね。我々のデザインチームは5名いるのですけど、もちろん今回のコラボ以外のレギュラー商品のグラフィックも担当しています。大変な思いもさせたと思います。

150もですか! 制作中には、会場の雰囲気やお客さんの様子などをイメージしながらだったと思います。楽しさだけでなく、難しさも同居しながらのワークだったんですね。

松浦:B.LEAGUEへの初回提案から半年以上かけて完成させました。途方にくれるような作業量に対して、リーグの承認を得ているものの、僕らが一方的に行っていることでしたので、ただただ不安で。誰か喜んでくれる人がいるのか、逆に反応がないのか、いまどの辺をランニングできているのか…。すべてが手さぐりでした。ですから、初めてデザイン案に対してリーグを通してクラブからコメントをいただいたときは、とても嬉しかったです。うちはもっとこういうデザインがいいとか、クラブのコンセプトを指南いただいたりですとか。一気に視界が明るくなり感激しました。多くのクラブがブランディングを大切にされており、ますますB.LEAGUEが好きになりました。

ちなみに販売価格は…?

松浦:大人用は2,900円、子ども用は1,990円に設定しました。僕がこれまでバスケットボールにいくらつぎ込んだかを計算したら、自分のお小遣いが減っても納得してしまうぐらいの額でした(苦笑)。だからこそ、コラボ服は手軽で実用性があり、着回しができるものにしたいと思っているんです。

お財布にも優しいですね。

松浦:ファン、ブースターは観戦チケット、交通費、グッズの順番でどうしても費用がかかります。これなら親子でも5,000円以内で購入できます。ファッション性があり、応援着としてだけでなく、日常でも着回しがきく、親子でもエンジョイできることを意識しました。

B.LEAGUEコラボアイテムについては、どのようなこだわりがあるんですか。

松浦:こちらは、B.LEAGUEのことはよく知らないけど、「あれ、かっこよくない?」という反応を狙った、「グローバルワーク」の商品をいつも着てくださるお客様に対してアプローチするものとして作りました。一見すると、ストリート感溢れるデザインだと思うのですが、その中にB.LEAGUEを表現しました。また、Tシャツはクラブデザインも含めて全て表地はストリートで着られる綿天竺で、裏地は観戦で汗をかいても大丈夫なように、ドライ機能のあるポリエステルのサラサラ生地を採用したプレーディングという構造になっています。僕らはやっぱり、ものづくりができる服屋でありたいので、良い提案ができたのではないかと。

すでに2020年1月に北海道で行われたオールスターでは先行販売し、SNSでも話題になっています。お客様の反応はいかがでしたか? 一番人気はやはり北海道だったのでしょうか?

松浦:北海道が真っ先に完売しましたね。立地もあるので、東地区を中心に売り切れました。それ以外では滋賀レイクスターズのファンの方が気に入ってくださり、会場やSNSで拡散してくださったようで人気でしたね。またファンの方とお話しする中でたくさんのご意見と応援の声をいただき、今後の励みになりましたし、一部のクラブ広報の方ともコミュニケーションすることができまして、大変ありがたい機会となりました。

レバンガ北海道

滋賀レイクスターズ

コラボレーションを通じて、B.LEAGUEの魅力を伝えたい。

今回のプロジェクトを通して、社内の反響はありましたか。

松浦:僕が一番嬉しかったことはバスケットボールを見に行きたいという声が増えたことです。

それは一番良いことじゃないですか!

松浦:めちゃくちゃ嬉しかったです。今度等々力アリーナでやる川崎ブレイブサンダースとアルバルク東京の試合(1/31開催)へ、初めてB.LEAGUEを見る15人と行ってきます。しかも1階アリーナ席。一番バスケの醍醐味を感じることができるのではないかと思っています。今回、興味を持ってくれたメンバーは、これからコラボレーション商品を売り出していくにあたって、“B.LEAGUEの魅力を知りたい”と言ってくれたんです。

社内の皆さん、スポーツに対しての気持ちや取り組みが熱心ですね。今回のコラボレーションもそうですし、茨城ロボッツへのサポートや「niko and…」の事例もあります。

松浦:僕がこのようなことをやらせていただけること自体ありがたい話なのですけど、やっぱりスポーツ振興や、スポーツローカルに積極的な会社です。その中心となっているのが「niko and…」事業部ですね。他にはフルマラソンで3時間、3時間半切りを目指すNUMERALS RUNNING TEAMというランニング部、「BAYFLOW」というブランドではヨガスタジオを運営しながらヨガ、サーフといったカルチャーを育んでいます。発信する私たち自らが主体となり、シーンを盛り上げる一員となることを大事にしています。『本気で遊べば仕事になる、本気でやろう!』が合言葉です。

今回のコラボレーションをきっかけに、クラブのTシャツを着る方が増えたり、店頭でB.LEAGUEを目にする機会も多くなります。バスケットボールはファッションとの親和性も高く、カルチャーにも溶け込みやすいですが、今後B.LEAGUEとどう関わっていきたいか。また、日本のバスケットボールへの期待など、想いはありますか。

松浦:グローバルワークは多くのお客様に支えられ、25周年を迎えることができました。これをきっかけに、たくさんのお客様へB.LEAGUEを知っていただきたいです。個人的にはバスケットボールがもっとメジャーになって、日本を代表するプロスポーツになったらいいなと思っています。手さぐりで始めた大好きなB.LEAGUE企画ですが、これをきっかけにもっと露出が増えて、グローバルワーク以外でもお菓子や文具、日用品など様々なライセンス商品が世に出て、認知が上がったらいいなと思います。例えば『B.LEAGUEチップス』とか、業種を超えて広がっていくといいですね。

確かにそれはおもしろいですね。では、最後にひと言お願いいたします。

松浦:B.LEAGUEを応援する皆さまには「グローバルワーク」が安心して買える価格帯の使いやすいブランドあることを知っていただけたら幸いです。私たちは着る人が主体の洋服屋でありたいと考えています。B.LEAGUEのファン・ブースターの方々の日常に加えていただけたら嬉しいです。